【でぃえご】ゲーム紹介:『都市伝説解体センター』

(PV)

https://www.youtube.com/watch?v=YvIY4locMkg

 

 

(あらすじ)

主人公、福来あざみは幽霊のような影が見えてしまうことに悩み、相談のために怪しげな施設、都市伝説解体センターへ足を運ぶが、胡散臭いセンター長、廻屋に丸め込まれ、何だかんだでセンターの職員にされてしまう。あざみは人が残した痕跡を見ることができる特殊能力「念視」を活かして、怪異や霊的現象のような「都市伝説」が原因とされる謎めいた事件の数々の真相を暴いていくことに…。

 

 

(感想)

ドット絵によるビジュアル表現が特徴的な推理ADVです。全6話の章立て構成で、1話ごとに異なる事件を扱っています。ストーリーも演出も非常に優れていて、1つの章が終わるごとにエンディングテーマとして主題歌「KIKIKAITAI(奇々解体)」に合わせてストーリー全体の核心に迫るイベントムービーが流れるさまはまさによくできたミステリーもののドラマを見ているようです。ドット絵というある種前時代的なビジュアル表現ながら、そのことを忘れさせるほどに見入ってしまいます。そして続きが気になるあまり、「今日はここまで」と思っていてもついついプレイを続けてしまうという、本当にやめどきを見失うゲームです。1章ごとに大体1~2時間ほどでクリアできるボリューム感なので、僕はついつい没頭してプレイした結果、1週末中にクリアしてしまうほどでした笑。推理ものやADVが好きな人には自信をもっておすすめできる1本です。

 

一方で、「都市伝説」というワードやPV等からホラーなのでは?という期待もしくは不安を抱く方もいるかもしれませんが、実のところ本作におけるホラー描写はそこまででもない(全くないというわけではない)です。そもそも全体的なストーリーの流れは、あまりにも突飛すぎて都市伝説が原因なのではないかと噂される事件の真相を暴く、有名ドラマでいうところの『ガリレオ』に近い側面があり、ガチの怪異や霊的現象は基本的に出てこないということだけは前置きしておきます。なので都市伝説や怪奇現象が入り乱れるオカルトホラーを期待していると裏切られるでしょう。反面、先述した通り『ガリレオ』のミステリー版(『ガリレオ』はどちらかというとサスペンス)のようなストーリーなので、そっち系のドラマや推理ADVが好きな人は「買い」です。

 

また、本作のストーリーにはSNSなどが身近になった現代の情報化社会に対する警鐘のようなニュアンスが色濃く表れており、ネット上の誹謗中傷やフェイクニュース、デマに踊らされて暴走する大衆心理の狂気など、今を生きる私たちにとって、よく言えばリアリティのある、悪く言えば胸糞悪い描写がこれでもかとばかりに詰め込まれています。「都市伝説」とは、噂や口伝によって尾鰭が付いた「事実」であり、ネット上で玉石混交の情報が入り乱れる現代においては、より生々しくて悍ましい「都市伝説」に事欠かない…。本作のそういったメッセージには大いに感心させられるところがあり、個人的には凄く楽しめたのですが、こうした現実的かつシリアスなテーマは人によって気分が悪くなる類のものであるため注意しておくべきだと思いました。

 

総じてやや人を選ぶものの秀逸なビジュアルとストーリーが魅力的な傑作という感想です。特に最終盤における本作のストーリーの核心については、展開的にやや強引さこそ感じましたが、それよりも驚きが勝り、思わず画面越しに「えーっ!!」と叫んでしまうほどでした笑。最近僕はミステリーやホラー系のADVにハマっているのですが、こうした驚きを求めて遊んでいるところがあるので、とても満足できました!

 

 

 

【まとめ】

(おすすめポイント)

・都市伝説と現代の情報化社会をリンクさせた秀逸なストーリー

・ドット絵のゲームながら良質なドラマのようにテンポがよく、引き込まれる演出

・簡単すぎず、かといって難しすぎずで気持ちよく進められる謎解きパート

・衝撃的かつ考えさせられるラスト

・主題歌「KIKIKAITAI」をはじめとした秀逸なサウンドトラック

 

(気になったポイント)

・ラストは衝撃的ではあったが、展開的にはやや強引な感もあった。

・ドット絵のゲームであるため、PCのモニターのような大き目な画面でプレイすると視認性がイマイチかつ目が疲れる。やるならばSwitchの携帯ゲーム機モードかSTEAM DECK位の画面サイズがちょうどいいかも。

・謎解きパートは回答を誤ってもペナルティがないため、何度でも回答のやり直しが可能。したがってその気になれば選択肢を総当たりすることでストーリーを全く頭に入れずにクリアできてしまう。

・ストーリーは基本的に一本道。選択肢による分岐などはない。

・ボリュームに対してパッケージ版の価格がやや高めか

 

(人を選ぶポイント)

・怪異や怪奇現象が入り乱れるオカルトホラーを期待していると裏切られる。

・現実的かつシリアスなテーマは人によっては気分が悪くなる。ホラー描写こそ控えめだが、情報化社会における大衆心理の危うさを扱うストーリーは生半可なホラーよりもある意味で恐ろしい。

 

 

タイトル:『都市伝説解体センター』

発売日:2025/2/13

対応プラットフォーム:Nintendo Switch, PS5, PC(Steam)

価格:3740円(パッケージ版税込), 1940円(ダウンロード版税込)※

でぃえごのクリアタイム(参考):11時間

 

※いずれも通常版の価格です。

 

(Steam版販売ページ)

https://store.steampowered.com/app/2089600/_/?l=japanese

 

 

 

いかがでしょうか。推理ADVが好きな人にとってはまさにドンピシャなゲームだと思います。もしプレイされた方がいれば感想なども語り合ってみたいですね!プレイされてない方でも、本作の紹介や僕のクリア後感想などに対するコメントなどあればもちろん大歓迎です!このゲーム、ガイドラインで4月までは最終話の配信が禁止されているのですが、もしプレイされた方や興味を持たれた方がいればそうしたタイミングを見てネタバレも踏まえた感想や考察も語れたらいいなと思っています。もしその機会があればまたよろしくお願いします!